Japanese
English
しびれ・痛みに対する整形外科診療の進歩 Ⅱ.疾患・病態別の診断・治療
2.腰椎
胸腰椎椎体骨折時の椎間板損傷は骨折治癒後の遺残性腰痛に影響するのか
Does a traumatic intervertebral disc lesion influence residual back pain after thoracolumbar vertebral fractures
脇田 浩正
1
,
久保田 剛
1
,
谷口 慎治
1
,
高澤 誠
1
,
中嶋 隆行
1
,
渡辺 淳也
1
,
青木 保親
1
H. Wakita
1
,
G. Kubota
1
,
S. Taniguchi
1
,
M. Takazawa
1
,
T. Nakajima
1
,
A. Watanabe
1
,
Y. Aoki
1
1東千葉メディカルセンター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Eastern Chiba Medical Center, Chiba
キーワード:
intervertebral disc lesion
,
vertebral fracture
,
MRI
Keyword:
intervertebral disc lesion
,
vertebral fracture
,
MRI
pp.124-127
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei74_124
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は じ め に
胸腰椎椎体骨折は,神経症状を有する症例,後方要素損傷や椎体の高度損傷がある症例では手術的治療の適応となることがある.それ以外の場合は保存的治療で骨癒合が得られることが多いが,骨癒合後も腰背部痛が残存する症例は少なくない.椎体骨折治癒後の遺残性疼痛の原因には偽関節や高度の椎体圧潰,後弯変形などのアライメント変化が関与しているといわれている1,2).
胸腰椎椎体骨折患者のMRIで,外傷性と思われる椎間板信号異常を認める症例がある3).しかし,椎間板損傷が胸腰椎骨折後の臨床経過に影響を及ぼすかどうかの報告はない.今回われわれは,偽関節や椎体変形などの骨要素以外に,椎間板の損傷が腰背部痛の残存に関与する可能性を考え研究を行った.
本研究の目的は,胸腰椎椎体骨折に合併する椎間板損傷の頻度と臨床経過への影響を検討することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018