Japanese
English
しびれ・痛みに対する整形外科診療の進歩 Ⅱ.疾患・病態別の診断・治療
2.腰椎
骨粗鬆症性椎体偽関節に対する病態に応じた手術療法
¥Clinical condition based surgery for pseudarthrosis of osteoporotic vertebral fracture
椎名 逸雄
1
,
國府田 正雄
2
,
菅谷 郁夫
1
,
山﨑 正志
2
I. Shiina
1
,
M. Koda
2
,
I. Sugaya
1
,
M. Yamazak
2
1総合守谷第一病院整形外科
2筑波大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Sogo Moriya Daiichi Hospital, Moriya
キーワード:
osteoporotic vertebral fracture
,
vertebroplasty
,
percutaneous pedicle screw
,
anterior decompression and fusion
Keyword:
osteoporotic vertebral fracture
,
vertebroplasty
,
percutaneous pedicle screw
,
anterior decompression and fusion
pp.119-123
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei74_119
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Ⅰ.椎体偽関節の定義
これまで,「椎体偽関節」という言葉は椎体骨折後癒合不全と同義に扱われることが多かった.椎体骨折評価基準(2012年度改訂版)1)では,椎体骨折後骨癒合不全を遷延治癒(delayed union)と偽関節(pseudoarthrosis)に分類して定義している.遷延治癒は当該骨折の部位と型における平均速度(通常3~6ヵ月)で治癒が進んでいない状態をいい,骨折部の骨癒合プロセスは遅れてはいるものの完全には停止していない.一方,偽関節は骨折部の骨癒合プロセスが完全に停止したものであり,保存的治療を継続しても骨癒合が期待できない状態をいう.実際は,受傷から9ヵ月が経過し,3ヵ月にわたり治癒進行の可視的な兆候が認められない場合に偽関節と称することが多い.
本稿では,椎体骨折後癒合不全を椎体骨折遷延治癒と椎体偽関節とに分け,それぞれの病態に応じた最近の治療について手術的治療を中心に述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018