Japanese
English
論述
骨粗鬆症性椎体骨折患者の予後調査
Prognosis of the Patients with Osteoporotic Vertebral Fractures
濱本 秀樹
1
,
井口 哲弘
1
,
栗原 章
1
,
藤原 朗
1
,
山崎 京子
1
,
佐藤 啓三
1
,
笠原 孝一
1
,
松本 英裕
1
Hideki Hamamoto
1
1神戸労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kobe Rosai Hospital
キーワード:
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
prognosis
,
予後
,
vertebral fracture
,
椎体骨折
Keyword:
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
prognosis
,
予後
,
vertebral fracture
,
椎体骨折
pp.1363-1367
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902844
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抄録:骨粗鬆症の椎体骨折で入院加療した48例(平均74.7歳)の患者を対象に予後調査を行った.平均約56カ月の追跡調査で,約1/3の患者がすでに死亡していた.調査時に生存していた群は,死亡群より退院時の歩行能が有意に高かった.退院時に介護不要であった群は,要介護群と比べて有意に調査時のADL点数が高かった.また,単椎体骨折群は多椎体骨折群より,有意に退院時の歩行能力が高く,追跡調査時のADL点数も高かった.退院後の骨折増加群と不変群を比較すると,増加群では腰痛点数が有意に高かった.しかし,日常的な運動,飲酒,喫煙などの生活習慣は今回の調査では予後に関与していなかった.
以上の結果から,骨粗鬆症による脊椎椎体骨折後の患者では,受傷後の歩行能力の低下と椎体骨折数の増加がその予後を悪化させる因子と考えられ,その予防が重要と思われた.
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