Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅰ.総 論
1.スポーツ障害予防
高校野球選手における投球フォーム自己評価
-――体の痛みや投球パフォーマンスとの関係
Subjective assessment for throwing form in high school baseball players
宇野 智洋
1
,
原田 幹生
2
,
丸山 真博
1
,
村 成幸
3
,
高原 政利
4
,
高木 理彰
1
T. Uno
1
,
M. Harada
2
,
M. Maruyama
1
,
N. Mura
3
,
M. Takahara
4
,
M. Takagi
1
1山形大学整形外科
2泉整形外科病院手・肘・スポーツ
3吉岡病院整形外科
4泉整形外科病院
1Dept. of Orthop. Surg., Yamagata University Faculty of Medicine, Yamagata
キーワード:
high school baseball player
,
throwing form
,
pain in body
Keyword:
high school baseball player
,
throwing form
,
pain in body
pp.14-18
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_14
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は じ め に
不良な投球フォームは,野球肘発症の危険因子の一つとされる1).不良な投球フォームとして,肘下がり,不十分な股関節の動き,殿部の先行・体重移動の不良2),不十分な体幹の回旋や不安定性,および早期の体の開きなどが報告されている1,3).これらがあると,上肢の振り動作に依存した投球動作となり,その結果,肘への外反ストレスが増加し,肘内側部への牽引力となって肘内側側副靱帯に多大なストレスをもたらし4,5),野球肘が発生しやすくなるとされる3).アマチュア選手は,プロ野球投手に比べ,上肢の振り動作に依存した投球動作であり6),障害が発生しやすい可能性がある.
投球フォームの評価法として,全身に反射マーカーを装着し,ハイスピードカメラで撮影する動作解析方法が広く用いられている3,7).投球フォームの正確な評価が可能である一方,設備や装置が必要であり,多くの野球選手の投球フォームを評価することは困難である.そこで,筆者らは投球フォームを選手自身で評価する投球フォーム自己評価法の作成を試みた.
本研究の目的は,高校野球選手の投球フォームの自己評価法を作成し,その妥当性を調べ,投球時の体の痛みや投球パフォーマンスとの関係について検討することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018