Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅰ.総 論
1.スポーツ障害予防
高校野球投手における試合時の投球数・イニング数と体の痛みおよび投球パフォーマンスとの関係
Relationship between number of throwing pitches in a game and both body pain and throwing performance in high school baseball pitchers
宇野 智洋
1
,
丸山 真博
1
,
原田 幹生
2
,
村 成幸
3
,
高原 政利
4
,
高木 理彰
1
T. Uno
1
,
M. Maruyama
1
,
M. Harada
2
,
N. Mura
3
,
M. Takahara
4
,
M. Takagi
1
1山形大学整形外科
2泉整形外科病院手・肘・スポーツ
3吉岡病院整形外科
4泉整形外科病院
1Dept. of Orthop. Surg., Yamagata University Faculty of Medicine, Yamagata
キーワード:
high school baseball player
,
number of pitches
,
game
,
pain in body
,
throwing performance
Keyword:
high school baseball player
,
number of pitches
,
game
,
pain in body
,
throwing performance
pp.10-13
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_10
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は じ め に
選抜高等学校野球大会に出場した主戦投手の1週間の投球数は500~700球と報告されている1).近年,高校野球の投手における連投・投球過多に対する是非についての報道が散見される.
日本臨床スポーツ医学会からの提言では,高校野球選手の全力投球数は1日100球以内,週500球以内で,練習日数は週1日以上の休養日をとることが望ましいと報告されている1).筆者らは山形県,全県下の高校野球選手の練習での投球数について調査し,1日の総投球数が200球以上では全投球時痛が強く,全力投球が100球以上では肩肘痛が強く,さらに1週間の総投球数が725球以上では全投球時痛が強かったことを報告した2).しかし,これら2報告では投手と野手を区別していなかった.柳澤らは高校生投手を対象に投球数と投球パフォーマンスとの関係を調査し100球を超えると身体諸機能は投球前に比して低下し,パフォーマンスが低下すると報告している3).しかし,全県下の高校生投手を対象に試合時の投球数やイニング数と障害およびパフォーマンスとの関係について調査した報告はない.
本研究の目的は山形県,全県下の高校生投手の試合時の投球数,イニング数と投球時の体の痛み,および投球パフォーマンスとの関係を調査することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018