特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
高齢者の併存疾患・合併症に対する対策 高齢者脊椎変性疾患における術後合併症発生の危険因子 周術期栄養状態評価の重要性
鈴木 智人
1
,
橋本 淳一
,
山川 淳一
,
嶋村 之秀
,
赤羽 武
,
高木 理彰
1山形大学 整形外科
キーワード:
C-Reactive Protein
,
Prealbumin
,
Serum Albumin
,
栄養評価
,
危険因子
,
血液タンパク質
,
高血圧
,
術後合併症
,
脊椎疾患
,
発生率
,
共存疾患
,
失血-外科
,
周術期管理
,
慢性腎臓病
,
手術時間
Keyword:
Blood Proteins
,
C-Reactive Protein
,
Hypertension
,
Risk Factors
,
Postoperative Complications
,
Prealbumin
,
Spinal Diseases
,
Serum Albumin
,
Comorbidity
,
Nutrition Assessment
,
Incidence
,
Blood Loss, Surgical
,
Perioperative Care
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Operative Time
pp.152-155
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088665
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2010年6月~2017年1月に脊椎変性疾患に対する手術を施行した148例を、74歳以下(Y群)107例(男62例、女45例、平均年齢61.8歳)と75歳以上(E群)41例(男24例、女17例、平均年齢79.2歳)に分け、術後合併症発生の危険因子を検討した。術後合併症はY群23例(21.5%;YA群)、E群11例(26.8%;EA群)に生じ、発生率に有意差はなかったが、尿路感染症はE群で有意に多かった。YA群はY群で合併症なしに比し有意に手術時間が長く、術中出血量が多く、インストゥルメント使用割合が高い傾向にあった。翌日のアルブミン値はYA群、EA群ともに有意に低く、術翌日CRPはEA群で有意に高かった。トランスサイレチン比はE群で合併症なし群に比しEA群で有意に高く、Y群では合併症あり群となし群でRapid turnover protein比に差はなかったことから、75歳以上の高齢者では術後合併症の発生に周術期栄養状態低下の関与が大きいと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017