足関節・足部疾患の最新治療
疾患各論 足部の変形・障害 外反母趾 中足趾節関節側方動揺性を生じた外反母趾に対する長母趾伸筋腱を用いた制動術の治療経験
近藤 直樹
1
,
藤沢 純一
,
遠藤 直人
1新潟大学 大学院整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節不安定症
,
中足指節関節
,
外反母趾
,
長母趾伸筋
,
腱移行術
Keyword:
Hallux Valgus
,
Metatarsophalangeal Joint
,
Joint Instability
,
Radiography
,
Tendon Transfer
pp.46-48
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016297864
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60歳女性。既往として関節リウマチがあり、左足外反母趾による歩行時母趾痛の経過観察中であった。今回、左母趾底側に開放創と持続する浸出液を認め、著者らの整形外科へ受診、デブリドマンを行った。デブリドマン時の左足所見ではMTP関節内への炎症の波及はなく、同時に外反母趾に対する母趾内転筋腱切離を行った。デブリドマンにより感染は鎮静化したが、術後3ヵ月目より外反母趾変形の再発と同部位の歩行時痛を自覚したため外科的治療を計画した。術前検査所見からMTP関節側方動揺性を生じた左外反母趾再発と診断され、長母趾伸筋腱を用いた制動術を施行した。その結果、術後8ヵ月で良好な骨癒合が得られた。目下、術後1年10ヵ月の時点でMTP関節の側方動揺性はなく、歩行時痛も認めず経過良好である。
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