骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その2)
上肢・体幹◆2.上腕骨 65歳以上の高齢者に生じた上腕骨遠位端骨折の治療戦略と臨床成績
久保 和俊
1
,
富田 一誠
,
川崎 恵吉
,
池田 純
,
前田 利雄
,
稲垣 克記
1昭和大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨折-非癒合性
,
骨板
,
術後合併症
,
上腕骨骨折
,
肘関節
,
治療成績
,
年齢因子
,
症状評価
Keyword:
Age Factors
,
Bone Plates
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Fractures, Ununited
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Symptom Assessment
pp.21-27
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017257809
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高齢者の上腕骨遠位端骨折手術において最も求められるのは確実な骨癒合と強固な初期固定性であり、著者等は内固定材として主にMayo Elbow Congruent Plate System(Mayo plate)を用いている。今回、65歳以上の患者にMayo plateを使用し術後4ヵ月以上追跡しえた28例の治療成績を報告した。全例で骨癒合が得られ、最終観察時のROMは屈曲が平均126.0°、伸展が平均-16.4°であった。最終観察時のMayo Elbow Performance Scoreは平均91.6点で、症例個々にみるとexcellentが17例(61%)、goodが9例(32%)、fairが2例(7%)であり、poorの症例はなかった。術後合併症として、尺骨神経障害を3例(11%)、異所性骨化を2例(7%)、関節面の明らかな変化を3例(11%)、皮膚壊死を1例(4%)に認めた。代表例2例を提示した。
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