高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う上肢の骨折 肘関節周囲 高齢者上腕骨遠位端骨折に対する手術的治療
三宅 潤一
1
,
正富 隆
,
高樋 康一郎
,
冨士 武史
1大阪厚生年金病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
内固定法
,
骨板
,
骨ワイヤー
,
上腕骨骨折
,
肘関節
,
治療成績
Keyword:
Bone Plates
,
Bone Wires
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.34-37
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055141
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著者らは高齢者における上腕骨遠位骨折に対し、2004年11月以前はreconstruction plateを第一選択としていたが、遠位骨片が小さい場合、あるいは骨脆弱性や粉砕骨折を有する場合はプレート固定はできず、引き寄せ鋼線締結法を併用して対処していた。しかし、これが11月以降にはMayo Clinic Congruent Elbow Plate Systemを用いることで、全例において両側プレート固定が可能となった。そこで、これらの経過を踏まえて、11月以前の7症例(A群、手術時平均年齢73.3歳)と、11月以降の5症例(B群、手術時平均年齢72.4歳)を対象に、それぞれの治療成績を比較した。1)A群の3例は早期に骨癒合が得られたが、4例に骨癒合遷延を認めた。前者の骨折型は全てAO分類type Aで、type Cに遷延傾向を認めた。遷延例には外固定を長期化せずに4~6週にとどめ、圧痛はあったが可動域痛を認めなかったため、ROMを確保しながら低出力超音波パルスを併用して待機し、3例で骨癒合が得られた。最終ROMは平均伸展-9.3°、屈曲120°と良好であった。2)B群は骨折型にかかわらず、全例において早期に骨癒合した。
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