上肢の外科 最近の進歩
肩関節疾患の治療 上腕骨近位部骨折に対する新しい内固定材とその成績 上腕骨近位端骨折に対する新しいプレートシステムの考案
舟崎 裕記
1
,
丸毛 啓史
,
吉田 衛
,
菅 巌
,
笠間 憲太郎
1東京慈恵会医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨板
,
上腕骨骨折
,
治療成績
Keyword:
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.40-45
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009019946
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日本人の上腕骨形状に合わせたプレートシステム「Multiaxial Fixator Plate」を開発し、6例に試用した。プレートデザインは、プレートの先端を大結節部頂部に埋め込んで固定できるようにフック状とし、フックの基部には仮固定用あるいは腱板締結用に二つの小さなホールを設けた。また、中枢側に海綿骨螺子用の穴(4.0mm)を4つ、末梢側に皮質骨螺子用の穴(3.5mm)を2つ設け、これらのラグスクリューの刺入角度に自由度をもたせた。ラグスクリューは、ボールヘッド形状の7.5mm cannulated cancellous screwを用い、キャップ式によるロッキング機構をもたせた。6例の治療成績は全例で骨癒合が得られ、癒合までの期間は2~5ヵ月であった。本システムを用いることで、大結節の粉砕骨折を伴う3part骨折や若年者の解剖頸骨折に対する従来法の問題点(固定力の問題など)を解決できる可能性があると思われる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008