骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その1)
脊椎 脊椎椎体(頸椎・胸椎・腰椎) 軸椎歯突起骨折の治療経験
渡邉 和之
1
,
大谷 晃司
,
二階堂 琢也
,
加藤 欽志
,
小林 洋
,
矢吹 省司
,
紺野 愼一
1福島県立医科大学 整形外科
キーワード:
偽関節
,
歯突起
,
死亡率
,
術後合併症
,
脊椎骨折
,
脊椎固定術
,
後向き研究
,
治療成績
,
年齢因子
,
頸椎装具
Keyword:
Age Factors
,
Odontoid Process
,
Mortality
,
Postoperative Complications
,
Pseudarthrosis
,
Retrospective Studies
,
Spinal Fusion
,
Spinal Fractures
,
Treatment Outcome
pp.173-176
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017077786
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
2006年1月~2015年12月の歯突起骨折患者39例(男21例、女18例、平均年齢64歳)を対象に診療録を後ろ向きに調査し、受傷機転、治療内容、X線学的分類、治療後の骨癒合の有無および合併症について調査した。Anderson分類はtype IIが16例、type IIIが23例であった。受傷機転は単純な転倒例はtype II骨折が多く、高エネルギー外傷はtype III骨折が多かった。手術的治療は最終的に15例(type II 12、type III 3)に行い、3ヵ月以上経過観察可能であった13例のうち8例で骨癒合が確認できた。保存的治療例で3ヵ月以上経過観察できたのは24例中18例であり、15例で骨癒合が観察された。保存的治療での骨癒合率は68.2%であった。全体で、明らかな偽関節に移行した症例は3例で、すべてtype II骨折であった。手術例では80歳以上の高齢者で有意に合併症が多く、肺炎を発症した2例は死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016