発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002197950
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膝蓋骨骨折に対する套管針ドリルを用いた経皮的骨接合術について報告した.対象は,本法施行の4例(男性1例,女性3例・平均年齢59.8歳)であった.骨癒合は全例で得られ,変形治癒や感染を生じた症例はなく,JOAスコアは95~100点であった.手術手技は,駆血帯装着の仰臥位で膝関節軽度屈曲位とし,徒手的に整復後,骨整復鉗子で仮固定し,膝蓋骨上端と下端の内側と外側4箇所に小皮切を加え,皮下をモスキート鉗子で剥離した.套管針ドリルで膝蓋骨内を穿孔し,内套針を抜き外套管をガイドに軟鋼線を通し,次いで膝蓋腱下に膝蓋骨下方に通し軟鋼線を誘導し,再び膝蓋骨に交差性に刺入し軟鋼線を通した.最後に大腿直筋内に膝蓋骨上方に通して軟鋼線を誘導し,8の字形の引き寄せ鋼線締結法を行った.術翌日から荷重歩行を許可し,持続的他動運動を併用した訓練を開始した.套管針ドリルの使用で軟鋼線を通しやすく,手術手技も容易となり手術時間の短縮につながるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002