人工関節置換術-最新の知見
特殊な疾患、高度の変形を伴う例に対する人工関節 骨系統疾患、骨代謝疾患など 遺伝性多発性軟骨性外骨腫による両変形性膝関節症に対するローテーティング・ヒンジ型人工膝関節全置換術
豊田 真也
1
,
砂川 隆英
,
武者 芳朗
,
池上 博泰
,
金子 卓男
1東邦大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨軟骨腫-多発性遺伝性
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
Keyword:
Exostoses, Multiple Hereditary
,
Radiography
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
pp.238-240
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270839
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66歳女。35年前より、両膝外反変形および軽度歩行障害を認めていた。1年前より両膝痛および歩行障害が悪化し、保存的治療で改善しないため入院した。単純X線所見では、大腿骨・脛骨の棍棒状変化、右膝有意に外側関節裂隙の狭小化を認め、両変形性膝関節症の所見であった。大腿脛骨角(FTA)は右155°、左170°と外反膝変形を認め、ほかの部位も上腕骨近位では骨幹端部の骨性隆起や棍棒状変形、前腕では尺骨・橈骨の彎曲、尺骨の短縮、足関節では両側外反変形を認めた。疼痛の強い右膝から手術を施行し、術後4週間で左膝の手術を施行した。術中、大腿骨遠位・脛骨近位骨切り後に、伸展位から軽度屈曲位にかけて、内側および外側副靱帯の弛みが強く生じ、ローテーティング・ヒンジ型TKAを選択した。右膝のみ膝蓋骨のトラッキング不良があったため、外側支帯解離術を施行した。術後経過は良好で、左膝術後4週間で、杖歩行で退院となった。
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