腰椎疾患up-to-date
腰椎疾患に対する診断・評価の進歩 画像および機能診断 腰椎変性側彎進行のX線学的危険因子
村上 秀樹
1
,
川村 竜平
,
遠藤 寛興
,
菊池 孝幸
,
山部 大輔
,
張簡 鴻宇
,
吉田 知史
,
山崎 健
,
嶋村 正
,
高橋 学
,
伊藤 浩司
,
沼田 徳生
1岩手医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
危険因子
,
脊柱側彎症
,
腰椎
,
後向き研究
Keyword:
Lumbar Vertebrae
,
Risk Factors
,
Radiography
,
Scoliosis
,
Retrospective Studies
pp.20-23
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2013222834
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腰椎変性側彎の単純X線所見の経時変化を計測し、側彎進行の危険因子について遡及的に検討した。腰痛を主訴に受診し、立位腰椎単純X線正面像でL1~L5の冠状面Cobb角が10°以上であった50歳以上のde novo変性側彎症63例を対象とした。単純X線像で10°以上の側彎進行を認めた14例を進行群、2°以内であった18例を非進行群とした。L4椎体傾斜角、L4・L5椎体楔状角、L2・L4椎体回旋度の大きい症例が側彎進行の危険性が高いことが示唆された。初診時や経過観察時にL4椎体の傾斜や回旋が大きい変性側彎症例に対しては進行の可能性を念頭におき、注意深い経過観察が必要で、手術的治療の必要性が出てきた場合には、可及的にL4の椎体傾斜や回旋を残存させないような術式を採択するよう配慮すべきであり、これが術後の側彎進行や隣接椎間障害の出現を回避するための要件と考えられた。
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