経験と考察
成長期腰椎分離症における腰椎局所性側彎の意義
森 将恒
1
,
橋本 晋平
1森整形外科クリニック
キーワード:
X線診断
,
MRI
,
脊柱側彎症
,
脊椎分離症
,
発生率
,
腰椎
,
多裂筋
Keyword:
Lumbar Vertebrae
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Spondylolysis
,
Scoliosis
,
Incidence
,
Paraspinal Muscles
pp.9-12
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016136607
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1週間以上持続する成長期の腰痛患者97例を対象に、MRIを用いて腰椎分離症(分離症)と局所性側彎(LS)の発生率を調査した。その結果、MRIで分離症は31例(32.0%)で認めた。LS発生率は分離症あり群で70.9%、分離症なし群で21.2%と、分離症あり群でLS発生率が有意に高かった。成長期腰椎分離症における腰椎局所性側彎の発生には、分離部出血・浮腫が分離罹患側の多裂筋や横突間筋に直接波及すること、ないしは分離部出血・浮腫が分離罹患側神経根に波及し神経根症を生じることによる分離罹患側の多裂筋や横突間筋の収縮が関与し、結果として分離罹患側対側凸の腰椎局所性側彎を生じる可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2016