股関節疾患の治療 up-to-date
成人股関節変性疾患の治療 その他 Hip-spine症候群 変形性股関節症患者に合併する腰椎分離、すべりおよび変性側彎の疫学調査
奥田 鉄人
1
,
藤田 拓也
,
兼氏 歩
,
波多野 栄重
,
市堰 徹
,
安田 佳史
,
福井 清数
,
三秋 恒平
,
細川 栄隆
,
松本 忠美
1金沢医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
股関節
,
脊柱側彎症
,
脊椎すべり症
,
脊椎分離症
,
変形性股関節症
,
腰椎
,
Hip-Spine症候群
Keyword:
Hip Joint
,
Lumbar Vertebrae
,
Radiography
,
Scoliosis
,
Spondylolisthesis
,
Spondylolysis
,
Osteoarthritis, Hip
pp.156-159
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197587
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著者らはHip-spines症候群-変形性股関節症患者に合併する腰椎分離、すべりおよび変性側彎の疫学的調査を行なった。対象は2000年4月~2008年5月までに手術的治療を行った変形性股関節症患者1101例(男性115例、女性986例、平均年齢56.0歳)で、X線像(仰臥位正面と立位側面の腰椎2方向)から分離、分離すべり、変性すべり、変性側彎の有無を調査した。その結果、腰椎分離は47例(男性5例、女性42例)で、合併率は4.3%(男性4.3%、女性4.3%)と性別による差は認められなかった。うち分離すべりは25例(男性0例、女性25例)、合併率は2.3%(男性0%、女性2.5%)で、変性すべりは153例(男性11例、女性142例)、合併率は13.9%(男性9.6%、女性14.4%)と女性で明らかに多かった。また、変性側彎は213例(男性21例、女性192例)で、合併率は19.3%(男性18.3%、女性19.5%)であった。以上、分離、分離すべりに変性側彎合併はなく、変性すべりに変性側彎合併は24.8%、変性側彎に変性すべり合併は17.8%に認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010