骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
診断・スクリーニング 骨粗鬆症診断における大腿骨二重エネルギーX線吸収法の重要性
池上 章太
1
,
上村 幹男
,
内山 茂晴
,
中川 浩之
,
外立 裕之
,
高原 健治
,
加藤 博之
1信州大学 運動機能学
キーワード:
感度と特異度
,
光子吸収分析
,
骨粗鬆症
,
骨密度
,
大腿骨
,
腰椎
Keyword:
Femur
,
Lumbar Vertebrae
,
Osteoporosis
,
Sensitivity and Specificity
,
Absorptiometry, Photon
,
Bone Density
pp.40-43
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139391
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原発性骨粗鬆症診断のため二重エネルギーX線吸収法(DXA)を施行した40歳以上の2026例(男485例、平均63.7歳、女1541例、平均65.4歳)を対象に、測定部位による診断への影響について検討した。腰椎・大腿骨の両方或いはどちらかの骨密度が若年成人平均値(YAM)70%未満で骨粗鬆症と診断したのは827例(男127例、女700例)で、このうち大腿骨のみ低骨密度であったのは男46例(36%)、女165例(24%)であった。腰椎DXAによる骨粗鬆症診断から大腿骨低骨密度(YAM70%未満)をどの程度評価できるかについての妥当性について検討したところ、感度が女69%、男51%、特異度がそれぞれ83%、91%であった。女性における腰椎DXAの大腿骨低骨密度に対する陽性尤度比は4.1、陰性尤度比0.38、男性はそれぞれ5.8、0.54であった。骨密度評価においては、年齢・性別に拘わらず腰椎・大腿骨両部位の骨密度を測定する方がよいと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011