発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016136605
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当科で経験した四肢長管骨転移性骨腫瘍61例の治療経過を検討した。男性31例、女性30例で、平均年齢は62歳、平均経過観察期間は22.8ヵ月であった。骨折リスクのない15例では全例で保存的治療を行った。切迫骨折および病的骨折を生じていた46例では、うち35例に手術的治療を行った。手術を行わなかった11例はいずれも生命予後が極めて短期であると予想された症例や、患者が手術を拒否した症例であった。手術的治療を行った35例の予後を骨折タイプ別に検討すると、病的骨折例は切迫骨折例に比べて有意に予後が不良であった。予後予測スコアの点数は切迫骨折例と病的骨折例で有意差を認めなかったが、予後予測スコアが良好な症例で手術的治療を行っていることが判明した。QOLに関しては、手術を行った35例中1例は術後全身状態が悪化したため床上安静のまま死亡したが、その他の症例は患肢機能が手術および術後リハビリテーションによって改善し、車椅子移動以上の移動能力を再獲得できており、手術的治療の効果が得られていると考えられた。
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