運動器疾患に対する最小侵襲手術
脊椎手術 除圧術 頸部神経根症に対する顕微鏡視下低侵襲頸椎後方除圧術 臨床症状からみた適応と問題点
藤田 拓也
1
,
奥田 鉄人
,
細川 栄隆
,
波多野 栄重
,
安田 佳史
,
川原 範夫
,
松本 忠美
1藤田整形外科クリニック
キーワード:
質問紙法
,
頸椎
,
神経根症
,
マイクロサージャリー
,
患者の満足度
,
外科的減圧
,
最小侵襲手術
,
失血-外科
,
治療成績
,
手術時間
Keyword:
Cervical Vertebrae
,
Microsurgery
,
Radiculopathy
,
Surveys and Questionnaires
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Patient Satisfaction
,
Decompression, Surgical
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Operative Time
pp.108-111
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225826
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頸部神経根症に対する顕微鏡視下低侵襲頸椎後方除圧術の手技を紹介し、同手術37例の成績を報告した。手術時間は平均1.6時間、出血量は71mlであった。経過観察期間2~4.8年で、頸部痛と上肢に放散する疼痛・しびれ感のvisualanalogue scale(VAS)はほぼ全例で改善し、それぞれ術前平均4.9が1.5に、5.6が1.2に有意に改善した。田中らの頸部神経根症治療成績評価基準でもほぼ全例が改善し、術前平均8.9点が17.8点と有意に改善して改善率は平均81.6%であった。改善率が高かった項目は就労・家事能力が91.6%、Spurlingテストの程度が90.3%で、低かったのは手指の痛みとしびれが71.7%、手の機能が75.0%であった。手術満足度は、たいへん満足18例、満足16例、やや満足3例で、臨床症状各項目の改善率との関連を検討したところ、手の機能の改善が最もよく相関していた。
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