発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006153655
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腰部脊柱管狭窄症に対して片側進入両側除圧術(METRxMF)の術後成績を,従来法である両側拡大開窓術と比較し,その有用性を検討した.両側性の症状を呈した1椎間の腰部脊柱管狭窄症に対してMETRxMFを行い,術後1年以上経過した14例(男8例,女6例,平均年齢69.7歳;以下I群)と2001年に行った9例(男8例,女1例,平均年齢62.6歳;以下II群)を対象にした.これらの症例に対して,臨床成績の評価として日整会腰痛治療成績判定基準(JOAスコア)改善率を,また低侵襲性の評価として手術時間,出血量,術翌日のCPK値,術後3日間のジクロフェナク坐剤の総使用量を調査し比較検討した.その結果両術式間においてJOAスコア,手術時間の有意差は認めなかった.一方出血量はI群で有意に少なく,CPK値,ジクロフェナク坐剤使用量についてもI群で有意に低かった.以上より,腰部脊柱管狭窄症に対するMETRxMFは,両側拡大開窓術と比較して,より低侵襲で同等の術後成績が得られる非常に有用な術式であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006