運動器疾患に対する最小侵襲手術
関節形成術 小切開 低侵襲かつ短い皮膚切開で行う寛骨臼回転骨切り術
丸山 正昭
1
,
天正 恵治
,
若林 真司
,
太田 浩史
,
小平 博之
,
上條 哲義
,
田中 学
,
北川 和三
1長野県厚生農業協同組合連合会篠ノ井総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
股関節脱臼
,
変形性股関節症
,
最小侵襲手術
,
治療成績
,
寛骨臼回転骨切り術
,
皮膚切開
Keyword:
Hip Dislocation
,
Radiography
,
Osteoarthritis, Hip
,
Treatment Outcome
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
pp.68-74
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225820
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
低侵襲かつ短い皮膚切開で行う低侵襲寛骨臼回転骨切り術の手技を紹介し、同手術を施行した亜脱臼性股関節症65股関節(初期30股関節・進行期35股関節、男4股関節・女61股関節・平均38.7歳)の成績を報告した。皮膚切開長は手術開始当初15~20cmであったが、徐々に短くすることが出来、最近30例は10~15cmとなった。経過観察期間1年10ヵ月~10年で、X線学的にcenter edge角は術前平均-3.1°から35.5°に、Sharp角は50.8°から39.2°に、acetabular head indexは52.2%から94.8%に有意に改善した。日整会股関節機能判定基準の疼痛スコアは術前平均11.2点が術後36.8点、歩行は11.8点が18.2点、関節可動域は19.5点が19.5点、日常生活動作は14.8点が16.5点となり、可動域以外は有意に改善した。術後合併症は下腹部痛を3例が訴えたが、保存的に経過をみて消失を確認した。また異所性骨化巣の形成を1例に認め、摘出術を行った。大腿神経と坐骨神経の麻痺はなく、大腿外側皮神経の不全麻痺は3例に認めたが、半年以内に回復した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011