特集 変形性股関節症に対する関節温存手術の現状と将来展望
骨切り術への新しい技術の導入 手術支援ガイド(patient specific surgical guide)を使用した寛骨臼回転骨切り術(RAO)
坂井 孝司
1
1大阪大学 大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)
キーワード:
X線診断
,
機器のデザイン
,
外科用器具
,
死体
,
X線CT
,
変形性股関節症
,
結果再現性
,
コンピュータシミュレーション
,
三次元イメージング
,
寛骨臼回転骨切り術
Keyword:
Computer Simulation
,
Cadaver
,
Equipment Design
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Surgical Instruments
,
Osteoarthritis, Hip
,
Reproducibility of Results
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.976-982
発行日 2017年9月19日
Published Date 2017/9/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017374388
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はじめに
手術支援ガイド(patient specific surgical guide; PSG)は,patient specific instrumentation(PSI), tailor-made surgical guide,custom-made cutting templateともよばれ,骨表面の凹凸に適合するよ うに設置し,手術中にガイドワイヤーの刺入方向・ 位置や,骨切り角度・位置を規定する単回使用型 のPSGである。1998年にAachen Universityの Radermacher1) が,“image based individual template”として,PSGの概念および,脊椎手術や 骨盤骨切り術(triple pelvic osteotomy)への臨床応 用を雑誌『Clinical Orthopaedics and Related Research®』に論文発表したことが最初の英文論文 報告となっている。 近年の3Dプリンターの発達と医療分野での応用 に伴い,術前CTまたはMRIデータから三次元骨 格モデルを作製し,その形状に応じたPSGが容易 に作製可能となり,整形外科分野でも弯曲状寛骨 臼骨切り術(curved periacetabular osteotomy; CPO)2),3)や寛骨臼回転骨切り術(rotational acetabular osteotomy;RAO)4),5)といった骨盤骨切 り術にも適用されている。 本稿では,RAOに関するPSGについて述べる。
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