特集 変形性股関節症に対する関節温存手術の現状と将来展望
骨切り術への新しい技術の導入 CT-basedナビゲーションを応用した小皮切寛骨臼回転骨切り術(RAO)
稲葉 裕
1
,
手塚 太郎
,
齋藤 知行
1横浜市立大学 大学院医学研究科運動器病態学(整形外科)
キーワード:
X線診断
,
内固定法
,
骨ねじ
,
X線CT
,
変形性股関節症
,
結果再現性
,
三次元イメージング
,
寛骨臼回転骨切り術
,
コンピュータ支援手術
,
寛骨臼形成不全
,
骨ノミ
Keyword:
Bone Screws
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Osteoarthritis, Hip
,
Reproducibility of Results
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Surgery, Computer-Assisted
pp.968-975
発行日 2017年9月19日
Published Date 2017/9/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017374387
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はじめに
寛骨臼形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術 (rotational acetabular osteotomy;RAO)は,病 期進行および疼痛緩和に有効であり,わが国で広 く行われている関節温存手術である1)〜3)。 手術時の骨切りでは,これまではノミの先端の 位置は術者の経験や感覚,もしくは透視によって 平面的に確認するものであった。また骨切りをで きるだけ正確に行うためには,広い術野の展開が 必要であった。 近年,CT-basedナビゲーションを用いた人工 股関節全置換術(total hip arthroplasty;THA)に おけるインプラント設置の正確性が多く報告され ている3)〜5)。筆者らは2014年から股関節骨切り術 に対してもCT-basedナビゲーションの使用を開 始し,その有用性と成績を報告してきた6)〜9)。現 在では,ナビゲーションの利点を生かして,ナビ ゲーションガイド下に小皮切でRAOを施行して いる。 本稿では,ナビゲーションガイド下小皮切 RAOにおける術前計画,および手術の実際とナ ビゲーションの精度について論述する。
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