運動器疾患に対する最小侵襲手術
関節形成術 小切開 陳旧性足関節外側靱帯損傷に対する残存靱帯を用いた低侵襲再建術(靱帯前進縫着法)の有用性
松田 剛典
1
,
熊井 司
,
篠原 靖司
,
田中 康仁
1奈良県立医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
靱帯損傷
,
足関節外側靱帯
,
足部損傷
,
ストレスX線撮影
Keyword:
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Lateral Ligament, Ankle
,
Foot Injuries
pp.75-80
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225821
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
陳旧性足関節外側靱帯損傷に対する残存靱帯を用いた低侵襲再建術(靱帯前進縫着法)の手技を紹介し、同手術17例17足(男6例6足・女11例11足・平均33歳)の成績を報告した。残存靱帯に骨片を認めたのは10例であった。術後調査期間8ヵ月~6年で、日本足の外科学会足関節治療成績判定基準(JSSF scale)では術前平均72点が96点に改善した。内がえしストレステストは術前平均11.9°が4.5°へ、前方引き出しテストは6.8mmが4.8mmへ改善した。スポーツあるいは仕事への復帰期間は平均11週であった。術後の創部の疼痛や感染、神経障害などの手術合併症はなかった。代表症例は32歳女。左足関節を捻挫し、前距腓靱帯、踵腓靱帯に圧痛を認め、ストレス撮影でも距骨斜傾斜17°、前方引き出し10.2mmと不安定性を認めた。手術を施行し、術中、前距腓靱帯、踵腓靱帯の損傷を認めたため、骨膜弁による再建を行った。術後距骨傾斜角5°、前方引き出し4mmと改善し、JSSF scaleも63点から100点に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011