肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
リハビリテーション 鏡視下腱板修復術後のリハビリテーション スリングを利用した肩関節機能訓練
松尾 麻未
1
,
北原 博之
1長崎三菱病院 リハビリテーション科
キーワード:
肩関節
,
関節鏡法
,
術後期
,
回旋筋腱板
,
肩腱板損傷
,
スリング療法
Keyword:
Rotator Cuff Injuries
,
Arthroscopy
,
Postoperative Period
,
Shoulder Joint
,
Rotator Cuff
pp.236-241
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097725
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鏡視下腱板修復術(ARCR)の後療法は通常、術後3週までは他動運動のみ行い、4週目から徐々に自動運動を開始するのが一般的である。当院でも一般的な後療法を実施していたが、術後早期には痛みによる防御性収縮が起こりリラクゼーションできなかったり、他動運動中心のため正常な自動運動感覚が喪失してしまうことで肩甲上腕リズムの再獲得が困難であったり、肩関節機能が回復するまでに数ヵ月を要する症例も経験した。そこで著者らは、自動運動開始の遅れが肩甲上腕リズムの獲得を困難にし、日常生活復帰までの期間を長期化させているのではないかと考え、2008年4月からARCR後1週間以内にスリング(Terapi Master)を利用して自動運動を開始するようにした。今回、その効果を検証するため、2008年4月~2009年9月にARCRを施行した20例(自動運動早期開始群)と、2008年3月以前にARCRを施行した20例(対照群)とで、術後の肩甲上腕リズムや肩関節可動域を比較検討した。その結果、自動運動早期開始の効果が確認された。
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