肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
リハビリテーション 投球障害肩のリハビリテーション 肩周辺機能からみた競技復帰への必要条件とは
福吉 正樹
1
,
永井 教生
,
藤本 大介
,
伊藤 孝信
,
田久 浩志
,
林 典雄
,
杉本 勝正
1名古屋スポーツクリニック リハビリテーション科
キーワード:
運動療法
,
肩関節
,
スポーツ障害
,
リハビリテーション
,
野球
,
ストレッチング
,
肩関節唇損傷
,
投球障害肩
Keyword:
Baseball
,
Athletic Injuries
,
Exercise Therapy
,
Shoulder Joint
,
Rehabilitation
,
Muscle Stretching Exercises
pp.242-246
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097726
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
保存的治療を受けた投球障害肩例の競技復帰に影響する因子について検討するため、自施設で2006~2008年に保存的治療を行ったSLAP病変63例を完全復帰群(34例)と不完全復帰群(29例)に分け、「損傷の程度」「初診時のJSSスポーツスコア」の2項目について群間比較した。その結果、2項目とも有意な群間差は認められなかった。次に理学所見から競技復帰の関連因子を抽出するため、「復帰の程度」を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った。理学所見は「肩90°屈曲位での内旋制限」「肩挙上制限」「肩90°外転位での外旋制限」「前胸部tightness」「僧帽筋weakness」の5項目を説明変数として設定した。分析の結果、「復帰の程度」と有意な関連を示した理学所見は「前胸部tightness」と「僧帽筋weakness」であった。これらの結果から、SLAP病変の保存的治療においては競技復帰の一条件として「前胸部tightness」と「僧帽筋weakness」の改善が必要であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010