肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状
診断 各種疾患の現在の画像診断法 肩鎖関節変形性関節症における画像スコアリングの意義
伊藤 陽一
1
,
間中 智哉
,
松本 一伸
,
月山 国明
,
中村 博亮
1大阪市立大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節鏡法
,
変形性関節症
,
肩鎖関節
,
骨切り術
,
骨髄
,
鎖骨
,
MRI
,
浮腫
Keyword:
Acromioclavicular Joint
,
Arthroscopy
,
Bone Marrow
,
Clavicle
,
Edema
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteotomy
,
Osteoarthritis
,
Radiography
pp.41-45
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011070014
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肩鎖関節変形性関節症に特徴的な画像所見6項目を独自に設定し、各項目についてスコアリングすることを試みた。6項目の内訳は、単純X線像における[関節裂隙の狭小化][骨棘形成][骨硬化]およびMRI T2強調像における[関節液貯留][鎖骨骨髄浮腫][肩峰骨髄浮腫]である。スコアリング方法は、各所見を認めた場合を1点、認めない場合を0点とし、症例ごとに6点満点で評価するようにした。本症患者38例40肩についてスコアリングを行った結果、平均点は3.8点であった。3点以下の症例を"軽度変化例"、4点以上を"重度変化例"とすると、軽度変化例は15肩(37.5%)、重度変化例は25肩(62.5%)であった。各所見が重症度変化に及ぼしている影響について検討するため、軽度変化群と重度変化群とで各所見の該当状況を比較解析した結果、重症度変化に有意な影響を及ぼしていた所見は[関節裂隙狭小化][関節液貯留][鎖骨骨髄浮腫][肩峰骨髄浮腫]であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010