変形性関節症 最近の知識
変形性関節症の臨床 変形性関節症の新しい画像診断 変形性膝関節症におけるMRI上の骨髄異常像
久保田 光昭
1
,
池田 浩
,
高澤 祐治
,
川崎 隆之
,
石島 旨章
,
黒澤 尚
1順天堂大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨髄
,
MRI
,
膝関節
,
変形性膝関節症
Keyword:
Bone Marrow
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Knee Joint
,
Radiography
,
Osteoarthritis, Knee
pp.71-75
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008207258
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一次性内側型変形性膝関節症(OA膝)171例(男5例、女166例、54~85歳)を対象に、MRI上の骨髄異常像(BMA)と臨床症状との関連について検討した。その結果、X線分類によるstageごとのBMA出現率は、stage I:50.0%、stage II:50.0%、stage III:88.0%、stage IV、V:90.3%であった。OA膝の重症度に比例してBMAの出現率およびBMAスコアは有意に高値を示した。また、BMAスコアが大きくなるに従い、膝関節内反傾向がみられた。臨床症状ではBMAスコアと関節可動域(ROM)が負の相関を認めた。臨床スコアに関しては、BMAスコアとJOAスコアが負の相関、BMAスコアとvisual analogue scale(VAS)、Japan Knee Osteoarthritis Measure(JKOM)は正の相関を示した。また、BMA高値群は低値群に比し、JOAスコアは有意に低値、VAS・JKOMは有意に高値を示した。stage IIIではBMA高値群は低値群に比し、JOAスコアは有意に低値、VASは有意に高値、ROMは有意に低値であった。以上より、BMAはOA膝の重症化の指標となる可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008