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JOURNAL OF JOINT SURGERY Volume 36, Issue 8 （August 2017）

関節外科　基礎と臨床 36巻8号（2017年8月発行）

特集手関節尺側部痛をきたす疾患の診断と治療

遠位橈尺関節障害の診断と治療河村太介 ¹ , 岩崎倫政 ¹北海道大学大学院医学研究院整形外科学キーワード：生体力学的現象 , X線診断 , 局所解剖学 , 関節疾患 , 変形性関節症 , 関節造影 , 関節不安定症 , 拘縮 , 骨切り術 , MRI , 鑑別診断 , X線CT , 手首外傷 , 疼痛測定 , 理学的検査 , 関節痛 , コンピュータシミュレーション , 三角線維軟骨 , 保存的療法 , Sauve-Kapandji手術 , 下橈尺関節 , 尺骨突き上げ症候群 Keyword: Conservative Treatment , Anatomy, Regional , Biomechanical Phenomena , Arthrography , Computer Simulation , Contracture , Diagnosis, Differential , Joint Diseases , Joint Instability , Magnetic Resonance Imaging , Osteoarthritis , Osteotomy , Pain Measurement , Physical Examination , Radiography , Tomography, X-Ray Computed , Wrist Injuries , Arthralgia , Triangular Fibrocartilage pp.844-851

発行日 2017年8月19日 Published Date 2017/8/19

DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017355393

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文献概要
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はじめに

遠位橈尺関節（distal radioulnar joint；DRUJ）は橈・尺骨の遠位端で形成される車軸関節で，前腕の回内・外動作を担っている。その回内・外動作により，上肢機能の中心となる手の位置調節が可能となり，より有効に手の機能を発揮することができる。DRUJ障害は，手関節尺側部痛や回内・外可動域（range of motion；ROM）制限を生じ，著しい上肢機能の低下，ひいては日常生活動作の障害を引き起こす。微細で複雑な構造を取り，外傷や変性変化により多様な病態を呈する。それらを十分理解し，適切な診断と治療法選択を行うことが良好な治療成績を得るために重要である。本稿では，DRUJ障害の診断および治療について概説する。