発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008330949
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2004年1月~2005年8月間に鏡視下手術または脛骨矯正骨切り術を施行した111例111膝(男46例、女65例、MM損傷60例、膝OA51例、手術時年齢42~76歳)を対象に、MRIにおけるMM偏位率(MDI)を測定し膝OAとMM偏位との関連性について検討した。また正常膝20例20膝を対照群(N群)としMDI計測を行い比較検討した。矯正骨切り術施行例の全例に対し関節鏡視にて軟骨の評価を行った。X線stage、軟骨grade、立位膝外側角(FTA)、MM損傷の有無についてMDIとの相関を調べた結果、X線stageごとのMDIではstageIIとstageIIIの間に有意差を認め、X線stage の進行に伴いMDI値が増す傾向を示した。軟骨gradeとMDIとの相関では軟骨gradeが進行するに伴い、MDI値は増大傾向を示しgrade1と2の間に有意差を認めた。立位FTAとMDIの間には正の相関を認めた。MM損傷の有無において、損傷なし群のMDIが有意な高値を示した。MM損傷におけるMM後角横断裂とその他の損傷形態とのMDIの相関に有意差はなかった。以上からMM偏位により半月板に機能不全をきたした膝OA進行助長の一因が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008