関節周辺骨折 最近の診断・治療
手関節、手根骨、指関節 尺骨遠位端骨折に対するプレート固定 特に高齢女性に対して
寺浦 英俊
1
,
坂中 秀樹
,
五谷 寛之
,
小松 猛
,
姜 良勲
,
蔡 栄美
,
金城 紅子
,
妻鹿 良平
,
佐々木 康介
,
高橋 佳史
,
大西 隆
,
山野 慶樹
1清恵会病院大阪外傷マイクロサージャリーセンター
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨板
,
尺骨骨折
,
女性
,
高齢者
,
治療成績
,
下橈尺関節
Keyword:
Aged
,
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Ulna Fractures
,
Women
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.71-75
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044639
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不安定性のある高齢女性の尺骨遠位端骨折に対するプレート固定の手術手技を紹介し、同手術施行12例(平均74.4歳)の成績を報告した。骨折型はBiyani分類type 1が5例、type 3が5例、type 4が2例で、全例橈骨遠位端骨折に合併したものであった。経過観察期間7~22ヵ月で、尺骨骨幹端骨折は全例骨癒合を得た。茎状突起骨折7例のうち基部骨折の1例で骨接合術を施行し、骨癒合を得た。他の6例は保存的治療とし、いずれも偽関節となったが、遠位橈尺関節(DRUJ)の不安定性は認めなかった。感染、神経症状、両骨間の仮骨架橋形成などはなかった。X線学的評価では、ulnar varianceは術直後平均0.1mm、最終時0.3mm、DRUJ gapはそれぞれ1.0mm、1.1mmであり、整復位はほぼ保持されていた。Cooney評価では平均85.4点、優4例、良7例、可1例であり、項目別では握力が比較的低い点であった。スクリューの弛みは1例に認め、抜釘術を行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2009