変形性関節症 最近の知識
変形性関節症の臨床 変形性関節症の薬物療法 変形性膝関節症の重症度に応じたヒアルロン酸関節内刺入法
戸田 佳孝
1
,
月村 規子
1戸田整形外科リウマチ科クリニック
キーワード:
Hyaluronic Acid
,
関節内注射
,
重症度指標
,
ランダム化比較試験
,
変形性膝関節症
Keyword:
Hyaluronic Acid
,
Injections, Intra-Articular
,
Severity of Illness Index
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Osteoarthritis, Knee
pp.130-133
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008207270
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変形性膝関節症(膝OA)患者112例(男16例、女96例、平均年齢66.3±9.2歳)を無作為に3群に分けて、造影剤を混合したヒアルロン酸(HA)注射の関節造影の成功率(関節造影率)をK-L分類(grade II、III、IV)に基づいてWaddell変法、坐位での前内側刺入法と外側膝蓋上刺入法の間で比較した。その結果、K-L分類でGrade IIに属する症例の関節造影率は、外側膝蓋上刺入群で76.5%(13/17)、前内側刺入群で42.1%(8/19)、Waddell変法群で64.3%(9/14)と、外側膝蓋上刺入群が前内側刺入群に比べ有意に優れていた。Grade III症例の関節造影率は、外側膝蓋上刺入群が75%(12/16)、前内側刺入群が50%(7/14)、Waddell変法群が84.6%(11/13)で、有意差は見出せなかった。Grade IV症例の関節造影率は、Waddell変法群の100%(7/7)が、外側膝蓋刺入群の60%(3/5)や前内側刺入群の57.1%(4/7)に比べ有意に高値であった。以上より、膝OAの重症度に応じて関節内HA注射の刺入法を検討することは有用であると考えられた。
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