変形性膝関節症の診断と治療
保存的治療 薬物療法 関節内注射 変形性膝関節症に対する2種類のヒアルロン酸製剤による治療効果の比較・検討
佐藤 栄一
1
,
萩野 哲男
,
落合 聡司
,
小松 喬
1健康科学大学 整形外科・作業療法学科
キーワード:
Hyaluronic Acid
,
関節炎
,
関節内注射
,
疼痛測定
,
分子量
,
歩行
,
治療成績
,
準ランダム化比較試験
,
変形性膝関節症
,
階段昇降
Keyword:
Stair Climbing
,
Arthritis
,
Gait
,
Hyaluronic Acid
,
Injections, Intra-Articular
,
Molecular Weight
,
Pain Measurement
,
Treatment Outcome
,
Controlled Clinical Trials as Topic
,
Osteoarthritis, Knee
pp.88-91
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2015264375
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変形性膝関節症に対する2種類のヒアルロン酸(HA)製剤による治療効果について比較・検討した。手術的治療を好まない変形性膝関節症(膝OA)を対象とした。平均分子量600万のHA製剤(HA600)、平均分子量190万のHA製剤(HA190)を用いた。JOAスコアの推移から、投与後4週で有効性があり、投与後8週で有効性のピークを認め、有効は投与前と比較してHA600では投与後26週まで、HA190では12週までであった。疼痛・階段昇降能については両製剤ともに投与前と比較して、投与後26週まで有効性を認めなかった。NRSによる疼痛評価では、HA190では投与後8週で有効性のピークがあり、その後、有効性は低下し、投与後26週では投与前よりも有効性なしとなった。HA600では投与後4週で有効性のピークをみた。HA600を投与した1例に疼痛および熱感の関節炎症状発生をみたが、3日以内に鎮静化した。
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