発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011044263
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距骨下関節固定付き足底板(吊り下げ型足底板)の効果について、過去に装具による治療を受けたことがない内側型変形性膝関節症(膝OA)患者182例(平均年齢65.0±9.2歳、男35例、女147例)を対象に無作為化前向き試験を行った。対象を吊り上げ型足底板を4週間装着させた足底板群と膝軟性装具装着させた膝装具群の2群に分けた。その結果、脱落例の割合や治療開始前の患者背景は有意差はなかった。ADLに伴う疼痛を訴えた患者の改善率については、起床時の疼痛は足底群で有意に高い改善率で、階段降り時の疼痛および1kmの歩行に伴う疼痛は膝装具群で有意に高い改善率であった。その他の項目については両群間で有意差はなかった。以上より、日常生活での長距離歩行が膝の疼痛のために障害されている例では膝軟性装具が、起床後すぐに活発な作業をする例や階段使用の多い生活を営む例には吊り下げ型足底板の適応があると考察した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010