発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009241357
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変形性膝関節症で注射療法に同意した83例(男14例・女69例・平均64.6歳)を鵞足注射群41例と関節内注射群42例に無作為に振り分け、成績を比較した。鵞足群では初回に鵞足滑液包に、関節群では初回に関節内に皮質ステロイドを注入し、両群ともその後1週間毎にヒアルロン酸の関節内注射を行った。4週間の治療期間中に注射療法の中止を申し出た患者は関節群5例、鵞足群4例で、脱落例の割合に有意差はなかった。ステロイド注射が原因であった脱落理由は、関節群で一過性関節痛の増悪が2例、鵞足群では大伏在静脈穿刺による皮下出血が1例であった。関節痛増悪は注射後24~48時間で発症し、軽度の結晶誘発性関節炎が原因であったが、数時間の氷冷処置で治癒した。大伏在静脈穿刺による皮下出血にはアクリノール湿布処置を行い、紫斑消失までには4週間を要した。治療終了した74例におけるLequesne重症度指数の改善点数は、関節群平均2.4点、鵞足群4.8点で、鵞足群が有意に優れていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009