高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨顆部・顆上 高齢者の大腿骨顆部・顆上骨折に対する逆行性髄内釘の治療成績
今泉 泰彦
1
,
脇 貴洋
,
澤村 悟
,
桜井 敦志
,
正田 悦朗
,
山本 哲司
1香川大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
髄内固定法
,
骨ネイル
,
膝関節
,
大腿骨骨折
,
治療成績
,
大腿脛骨角
Keyword:
Bone Nails
,
Femoral Fractures
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Knee Joint
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.230-235
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055167
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逆行性髄内釘で治療した65歳以上の大腿骨腰部・顆上骨折43例を対象に、手術成績について検討した。対象は平均78歳、男4例、女39例であった。骨折型はAO分類でtype A1が12例、type A2が10例、type A3が4例、type B2が1例、type Cが1例、type C2が3例、type C3が5例であった。手術の結果、骨癒合は全例で得られ、荷重開始時期は平均43日、膝関節ROMは伸展平均-6.7°、屈曲平均92.6°であった。Neer評価では平均71.3点で、excellentが9例、satisfactoryが18例、unsatisfactoryが9例、failureが7例であった。関節内骨折の影響についてはNeer評価でtype Aが71.5点、type Cが70.5点で、type C3は平均62点と成績不良であった。FTAについては成績との明らかな相関はなかった。Lindahl angleと成績の関係について、前方凸群、正常範囲群、後方凸群の3群に分けて比較したところ、後方凸群で有意に成績の低下を認めた。主骨折線と大腿骨遠位端間の距離についてtype Aを5cm未満と5cm以上の群に分けて比較したところ、5cm未満の群で成績が悪い傾向が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007