高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨顆部・顆上 高齢者の大腿骨顆部・顆上骨折の治療成績
小石 逸人
1
,
大森 信介
,
橋本 佳周
,
野口 亮介
,
本田 博嗣
,
杉安 謙仁朗
,
葉山 悦伸
,
立石 耕介
,
城山 晋
,
信貴 経夫
,
倉都 滋之
1国立病院機構呉医療センター 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
内固定法
,
骨ネイル
,
骨板
,
膝関節
,
大腿骨骨折
,
治療成績
,
膝関節置換術
Keyword:
Bone Nails
,
Bone Plates
,
Femoral Fractures
,
Fracture Fixation, Internal
,
Knee Joint
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
pp.218-222
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055166
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手術的治療を施行した65歳以上の高齢者の大腿骨顆部・顆上骨折26例を対象に治療成績について検討した。骨折型は、AO分類で関節外骨折type A 18例、関節内骨折type C 8例であった。手術術式は、プレートを施行した群(プレート群)、逆行性髄内釘を施行した群(IMSC群)、腫瘍用ヒンジ型人工膝関節全置換術を施行した群(TKA群)の3つであった。TKA群を除く骨接合術を行った23例で最終的には全例骨癒合が得られていたが、術後にギプスを含めた外固定を必要とした例が15例あった。最終的な治療成績は独自改変したNeer評価基準でsatisfactory以上が88.5%で、術前歩行不能で車椅子レベルであった5例を除くと、TKAを含む21例中16例が術前とほぼ同等の歩行能力が獲得できていた。成績不良例として、unsatisfactory 2例とfailure 1例を認めた。Unsatisfactoryの2例は各々脳血管障害後の麻痺側例と術後せん妄に伴うリハビリテーションの進行不良例で、failure例は骨脆弱性および認知症を有していた。なお、自験例を用いて、プレートとIMSCの両方の術式が行われていた関節外骨折のtype Aで術式間の比較を行ったが、総出血量を含め、膝関節ROM、手術時間、治療成績などに有意差はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007