高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨顆部・顆上 寝たきり状態の高齢者の大腿骨骨幹部骨折に対するEnder釘を用いた小侵襲手術
高畑 智嗣
1
1帯広病院 整形外科
キーワード:
髄内固定法
,
骨ネイル
,
大腿骨骨折
,
最小侵襲手術
,
手術時間
Keyword:
Bone Nails
,
Femoral Fractures
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Operative Time
pp.207-211
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055164
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移動介助や体位交換などの軽微な外力で発生した高齢の大腿骨骨幹部螺旋骨折4例(全女、平均90歳)を対象にEnder釘を用いた小侵襲手術を施行した。骨折前の状態は寝たきりが2例、車椅子全介助が2例であった。手術は全て脊椎麻酔下に施行し、手術時間は平均54分であった。挿入したEnder釘は2本が2例、3本が2例であった。術中出血は最大30mg、術後ドレーン内の出血は平均83mgで、1例で輸血を要した。術後全例で骨折部が短縮し、その結果、3例においてEnder釘近位端が大転子を穿孔したが、骨頭穿孔はなかった。3例でEnder釘尾部の遠位への移動を認めたが、2例は突出が軽度であった。残り1例はねじ止めにも拘わらず大きく突出し、局所麻酔下にEnder釘尾部を切断した。全例とも結果として骨癒合が得られ、元の生活に戻った。
©Nankodo Co., Ltd., 2007