高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨頸部・転子部 大腿骨近位部骨折の予後 手術不能例・早期死亡例の増加
奥村 朋央
1
,
藤田 裕
,
吉田 真
,
永原 亮一
,
山村 知
1京都桂病院 整形外科・人工関節研究センター
キーワード:
股関節部骨折
,
内固定法
,
骨ネイル
,
骨ねじ
,
大腿骨頸部骨折
,
入院期間
,
予後
,
股関節置換術
Keyword:
Bone Nails
,
Bone Screws
,
Femoral Neck Fractures
,
Fracture Fixation, Internal
,
Hip Fractures
,
Length of Stay
,
Prognosis
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.129-133
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055155
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2000~2006年に大腿骨近位部骨折で入院加療し、3ヵ月以上観察可能であった161例166肢(平均年齢78.5歳)のうち、術後3ヵ月以内に死亡した早期死亡例は13例、手術不能例は10例であった。手術例・手術不能例の生命予後不良因子を調査するため、手術不能+早期死亡の6例(A群)、手術不能+生存の4例(B群)、手術+早期死亡の7例(C群)、手術+生存の144例(D群)について年齢・性別、骨折型、入院期間・手術待機期間、麻酔方法・術式、入院時合併症、死亡原因、術前の全身状態比較検討した。その結果、早期死亡群、手術不能群ともに悪性疾患の合併症例が多かった。A・C群で癌死が多い傾向にあり、悪性疾患が生命予後不良因子である可能性が示唆された。死亡原因のA・C群の比較では、癌死、肺炎ともに有意差を認めなかったことから、手術の有無にかかわらず死亡原因に大差はなかったと考えられた。A群はアメリカ麻酔学会術前状態分類でPS4が多い傾向にあり、受傷以前から生命予後不良であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007