発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009271660
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65歳以上の大腿骨転子部骨折手術例の生命予後を分析した。1984年1月-2004年3月に手術治療を行った301例を対象とした。5年生存率は44%、10年生存率は14%であった。累積生存率曲線は漸次低下し、特に術後1年目の低下が大きかった。また、期待生存率よりも低く、その差は年々広がる傾向にあった。生命予後に影響を与える因子は腎機能障害、性別、年齢、退院時の歩行能、呼吸器疾患、貧血、心疾患で、術前から腎機能障害、呼吸器疾患、貧血、心疾患を有する歩行能再獲得不能の男性高齢者の予後が悪かった。大腿骨転子骨折の生命予後は術後長期においても悪いことが示唆され、生命予後影響因子がある場合、術後の注意深い経過観察が必要だと思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009