高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折(偽関節も含む) 手術的治療 骨粗鬆症性椎体偽関節に対する後方進入脊椎短縮骨切り術 超高分子量ポリエチレンケーブルを用いたLuque法
橋本 淳一
1
,
武井 寛
,
荻野 利彦
1山形大学 整形外科
キーワード:
偽関節
,
骨切り術
,
骨粗鬆症
,
脊椎骨折
,
Polyethylene
,
自立生活
,
骨折-圧迫
Keyword:
Osteoporosis
,
Osteotomy
,
Pseudarthrosis
,
Spinal Fractures
,
Polyethylene
,
Fractures, Compression
,
Independent Living
pp.117-121
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055153
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著者らは骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後椎体偽関節で、保存的治療に抵抗の強い腰背部痛と神経障害を有する症例に対し、後方進入脊椎短縮術を行なう際、チタンロッドと超高分子量ポリエチレンケーブルを用いたLuque法を施行してきた。そこで、2001年以降に手術を施行し、術後1年以上経過観察が可能であった10症例を対象に術後成績等を検討した。平均観察期間19.1ヵ月の結果、1)局所後彎角は、術直後から経時的に徐々に改善する傾向がみられた。2)術直後の腰背部痛は椎弓根screwシステム使用例と比較して強い傾向があるが、経時的に改善した。胸腰椎アライメントも経過に沿って徐々に改善する傾向があった。3)Luque法は強固な固定を行なわず、術中の矯正力は強くないが、ロッド設置範囲の椎間可動性を温存し、術後椎間が移動する、いわゆるテレスコーピング効果がみられる。これによって、経過中にもロッドのカーブに影響されたアライメント矯正が行われている可能性が示唆された。4)周術期においては重篤な合併症は認められなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007