脊椎疾患における鑑別診断と治療法選択の根拠
治療法選択とその根拠 胸椎 胸椎後縦靱帯骨化症に対する後方進入法の選択根拠
平林 茂
1
,
都築 暢之
,
山田 博信
,
本強矢 隆生
,
酒井 宏哉
1埼玉医科大学総合医療センター 整形外科
キーワード:
胸椎
,
骨ねじ
,
脊椎固定術
,
椎弓切除術
,
外科的減圧
,
後縦靱帯骨化症
Keyword:
Bone Screws
,
Laminectomy
,
Spinal Fusion
,
Thoracic Vertebrae
,
Ossification of Posterior Longitudinal Ligament
,
Decompression, Surgical
pp.145-149
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2007024944
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
当科では胸椎後縦靱帯骨化症に対して、後方のみから最大3段階に分けて脊髄を除圧する段階的後方進入胸髄除圧術を行っている。これまでに施行した30例の成績を報告し、後方進入法を選択する根拠について述べた。また、本手術の中で行う全周性胸髄除圧と脊椎固定の手術手技を紹介した。後方進入法を選択するメリットとして次のような点が挙げられる。明るく広い術野が得られ、必要に応じて左右・頭尾側方向へ自由に術野を拡張できる。胸椎高位にかかわらず同一の術式で手術が行える。開胸および胸膜外操作が不要なため肺に負担がかからず、術後の呼吸管理が容易である。術後に感染、髄液漏などの合併症が生じても対処しやすい。除圧後に椎体間固定を行う必要がない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006