発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176239
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家兎を用い,骨欠損部へのβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)充填後に生じる骨形成やその吸収性について検討した.術後2週のHE染色標本ではβ-TCPの表面に多数の多核巨細胞が観察され,これらのほとんどがTRAP陽性細胞であった.TRAP陽性細胞数と骨孔内の残存β-TCP量は,術後2週でともに最大値を示し,以後減少傾向にあった.また,TRAP陽性細胞数と新生骨量のピーク出現時間の間には2週のタイムラグを見出すことができ,新生骨量は術後4週で最大となった.β-TCPの吸収メカニズムには,充填後早期より細胞を介したcell-mediated resorptionが生じていることが考えられ,β-TCP移植後の局所における生物学的応答は,骨芽細胞と破骨細胞カップリングに極めて類似したものと推察された
©Nankodo Co., Ltd., 2005