発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176243
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骨腫瘍手術に際して生じた骨欠損に対する高純度β-リン酸三カルシウム(β-TCP)移植の臨床成績を検討した.移植後,3ヵ月以上の経過観察が可能であった42例を対象とした.全例で移植β-TCP周囲に速やかに自家骨の形成が認められ,術後感染やアレルギー反応といった有害事象はみられなかった.2例で組織学的解析を行ったところ,術後2週では未分化な細胞の付着,小孔内への血管の新生像,破骨細胞様の巨細胞の付着がみられた.術後4週では盛んな骨形成がβ-TCPを足場として始まっており,同時に破骨細胞様巨細胞による吸収像がみられた.β-TCPは骨腫瘍手術における骨補填材料として優れた性質を持っており,移植後早期から盛んな骨新生がみられることが判明した
©Nankodo Co., Ltd., 2005