発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176238
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ナトリウム塩を炭酸塩として用い,従来のハイドロキシアパタイト(HA)よりも400℃低い温度で焼結した炭酸含有アパタイト(CA)を吸収性骨代用材とする基礎的研究を行った.in vitroでは,CAは酸に溶解されやすく,破骨細胞に吸収されることが確認された.またCAは,強度試験にてHAとほぼ同等の強度を有していることが確認された.in vivoでは,CAは埋植後3ヵ月で気孔径が拡大し,吸収性が確認され,気孔内部の新生骨が増加した.CA周囲にはTRAP陽性の破骨細胞様細胞が多数出現し,また破骨細胞様細胞がCAを吸収し,後方では骨のリモデリングもみられた.CA埋植後6ヵ月では新生骨の成熟がみられた.骨密度領域は経時的に増加し,気孔率(吸収性),骨形成はいずれも埋植後に有意に増加した.焼結炭酸含有アパタイトは,吸収されやすい使用条件下であれば,吸収性骨代用材として様々な臨床応用の可能性があり,有望な素材と思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005