発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176246
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下肢骨折に伴う骨欠損部に対し,高純度β-リン酸三カルシウム(β-TCP)人工骨を使用した.対象は13例15肢で,術後経過観察期間は5ヵ月~4年3ヵ月であった.移植後の初期強度に信頼性がなかったため,手術法および後療法は,自家骨移植と同様の方法をとった.その結果,骨癒合に遅延をきたした症例はなく,β-TCPは術後2~3ヵ月で境界が不明瞭となり,1年後には周囲の骨と同化した.骨梁形成を認める症例もあった.β-TCP人工骨に関連したと考えられる感染・炎症などの局所合併症はみられなかった.β-TCPは,用いた総量や充填具合に影響されると考えられるが,高い骨誘導能を有しており,自家海綿骨移植と同様の内固定術と後療法を行えば自家骨と遜色ないと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005