発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140449
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
16歳女.右股関節痛を主訴とした.特に誘因なく主訴が出現し,疼痛が増強した.初診時,独歩可能,可動域制限はなく,単純X線像では右大腿骨大転子部に骨透亮像と一部骨硬化像とが混在した病変を認め,周辺との境界は比較的明瞭であった.MRIではT1強調画像で低信号,T2強調画像で低信号と高信号域の混在する病変がみられ,嚢胞状変化をきたしている可能性が示唆された.骨巨細胞腫,動脈瘤様骨嚢腫や内軟骨腫などが疑われたが,骨生検の結果は良性骨芽細胞腫であり,骨掻爬とβ-リン酸三カルシウム人工骨移植を施行した.腫瘍部は嚢腫状変化を伴い,腫瘍塊は充実性で白色の薄い殻を有しており,内部には一部肉芽様組織がみられた.また,術中迅速病理診断では著明な類骨形成,骨芽細胞と血管に富む結合識を認め,良性骨芽細胞腫と確定診断された.術後疼痛は改善し,6ヵ月経過現在,無再発である
©Nankodo Co., Ltd., 2005