発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176235
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大腿骨頸部内側骨折に対し深腸骨回旋動静脈(DICA&V)血管柄付き腸骨移植を行い,術後成績を検討した.50歳以下の大腿骨頸部内側骨折(Garden分類stage III,IV)で,術後2年以上が経過し,術前血管造影が可能であった11例を対象とした.3例は下被膜動脈が造影可能であり,いずれも術中のGarden分類はstage IVであった.上被膜動脈が切断され,下被膜動脈の造影が不可能であった8例には,偽関節,遅発性分節骨折は1例も認めなかった.これら8例の骨癒合は約4ヵ月で認められ,術後のDICAの超選択的血管造影では全例血行動態は良好であった.術後内反変形や感染は認めず,関節可動域制限は軽度の内旋制限のみであった.大腿骨頸部内側骨折のGarden分類stage III,IVに対してDICA&V血管柄付き腸骨移植を骨折部に行う際には,術前の血管造影が重要になると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005