発行日 2003年4月25日
Published Date 2003/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2003250312
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腓骨近位骨肉腫3例(男,11,15,17歳).カフェイン併用動注化学療法を施行し,組織学的効果判定では3例とも日整会基準でgrade 3であった.2例に初診時より腓骨神経麻痺が認められたが,化学療法中の腫瘍縮小に伴って改善した.意図的辺縁切除術として,まず大腿二頭筋腱を腓骨頭から切離し,総腓骨神経を中枢側より剥離した.そして腫瘍より3cm以上離して腓骨を遠位で骨切りし,その断端から中枢側へ腫瘍を辺縁切除していった.最後に外側側副靱帯を切離して,腫瘍を切除した.外側支持機構再建のため大腿二頭筋腱と外側側副靱帯は脛骨近位外側部に固定し,術中に安定性を確認した.再建材料には吸収糸,スパイクワッシャー,スーチャーアンカーを使用したが,術後安定性は良好で,可動域制限もなかった.全例装具なしで歩行可能で,Ennekingの機能評価法では100%であった.経過観察期間は122ヵ月,120ヵ月,61ヵ月で,局所再発,肺転移は認めず,患肢機能は術前とほぼ同程度である
©Nankodo Co., Ltd., 2003