発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002203722
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MRIによる大腿骨頸部不顕性骨折の早期診断について検討した.単純X線像で異常を認めず股関節痛出現後6日以内にMRI撮像した34例を対象とした.最終診断では大腿骨頸部不顕性骨折は22例(大腿骨頸部内側不顕性骨折16例,大腿骨転子部不顕性骨折6例)であった.保存的治療選択の14例では,経過中に単純X線で骨硬化像あるいは骨折線の明瞭化を認め骨折が確認され,MRI冠状断像のT1またはT2強調画像で認められた線状低信号域はこの骨折線と一致していた.発症からMRI撮像まで最短2時間(平均54.1時間)で,MRIの感度と特異度はともに100%であった.大腿骨頸部不顕性骨折を疑う場合,骨軸に平行な冠状断面のT1強調画像は短時間で撮影可能で,高齢者でも姿勢保持の負担も軽く,MRI検査は早期診断として有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002